無人庵 山椒録



天災多々 2005年03月30日(水)

   昨年末の新潟大地震後、今月福岡西方沖地震で再度大きな被害が出た。同じく20万人を超える死亡者が出たスマトラ沖大地震後3ヶ月余りで昨日前回の150キロ南でスマトラ沖地震が発生した。今回もM8.7の大きな地震である。2000人以上の死亡者がいるとの最新情報もある。
 大地震発生後は、その近くの地域では、数十年か100数十年後でないと再発生しないとの通説がある。今回は大地震の余震ではなく、新たな地震ではないかと言う。
大惨事を齎す天災多々の前に人間は無力である。天災多々の対応に全力を挙げ、心より冥福を祈る。
 

人間の叡智 2005年03月26日(土)

   2005年日本国際博覧会(愛知万博)が昨日開会した。愛知万博のテーマは、“自然の叡智”である。
博覧会場は、広大な山地を切り開き、施設が作られた。施設の紹介によれば、コンピューターによるグラッフィクが目立つ。ロボットの活躍も華々しい。科学技術のオンパレードは、日本の技術の粋を誇示している。環境問題を考えるテーマである自然の叡智は、どこへやら、人間の叡智は、どうしたのだろうか。科学の驚異が目立ち、心癒すものが見当たらない。祭り気分は捨て、人間の叡智を働かせて、環境をじっくり考えよう。
 

知と情 2005年03月23日(水)

   ライブドアーのニッポン放送買収劇が騒がしい。知と情の戦いの様相を呈している。知とは、経済原則であり、情とは、人間原則と考えられる。企業買収では、経済原則に従う戦いであり、人間原則の戦いは分が悪い。法に関わる問題がなければ、知による論法が、情による論法を凌駕する。しかし、日本社会の情の部分も見逃せられない。ここは、情を捨て、正々堂々と知の戦いをして欲しい。自ずと、戦果は見えて来る。  

自然動く 2005年03月19日(土)

   彼岸の入りとなり、寒さも彼岸までであろう。日の出は、早く、日の入りは遅くなった。梅の花は、紅白晴れやかに満開である。沈丁花の花も咲き始め、爽やかな香りを漂わせている。今月末には桜の開花が始まると言う。桜並木の桜の蕾も膨らんできた。せせらぎの草木も花を付け、春の兆しを見せている。自然は、常に変化しつつ、百面相の如く、動いているのを実感させて呉れる。冬の自然は、春の自然を育んでいる。自然の動きは、目に見えるが、人の動きは目に付き難い。特に自己の動きは、目に掛からない。自然は動く。自己も動く。自己の内面の動きに心したい。  

無常の嵐 2005年03月16日(水)

   外は無常の嵐が吹き捲っている。内は、心地よい王国であった。取り巻きに守られた王様は、無常の嵐の厳しさは、知る由もない。永遠の王国などあろうはずもないない無常の嵐は、いつしか王国を廃墟と化した。無常の嵐の現実に王様は、無力を知らされる。哀れな王様は、実は凡人そのものだったのだ。夢から覚めた本人は、ただただ呆然と立ち竦む他に術もない。この世は、夢まぼろしと嘆く哀れは、繰り替えすまい。他山の石たれ。諸行無常と祈るのみか!  

大器は晩成 2005年03月11日(金)

   40歳の国会議員が、猥褻罪で逮捕され、即日議員辞職を余儀なくされた。30歳台で都議となり、若くして功なり名を遂げて、将来を嘱望されていた人間の破局は哀れである。人間修行の足らない若手の成り上がりは、長続きしない。
 それにつけても、最近10歳台のスポーツ選手の活躍が華々しい。これらの若手もちやほやされ過ぎて、どんな陥穽に落ちるか心配である。活躍の指導だけではなく、人格の指導も忘れないで欲しい。
 大器は晩成に限る。晩成することを、ただ祈る。
 

モノからココロへ 2005年03月09日(水)

   バブル崩壊後、モノからココロの時代へと価値観が変ったと言われた。物が溢れてもココロは満たされないことを誰もが実感した。ココロを癒す言葉が持て囃された。だが、このところのベストセラーランキングを見ると、ココロを癒す本は見当たらない。児童虐待、児童誘拐・殺人の事件は、絶えない。喉元過ぎて、熱さを忘れて、モノの欲に毒されてしまったのではないか。誰も謙虚であり続けることは、至難な業だ。ココロしたい。  

カリスマ兄弟末期 2005年03月05日(土)

   西武王国のカリスマ兄清二は、バブル崩壊後既に破綻してその地位も追われ、財産も没収された。今回は、カリスマ弟義明は、虚偽記載とインサイダー取引の容疑で逮捕された。共に長期に亘り独裁者として、トップに君臨していた。権勢を誇示していたが、長期独裁者は、必ず崩壊するとの故事の語る如く、末期を迎えた。そごう、ダイエー、ミサワのカリスマ経営者も同じ末路を辿っている。権力の魔性に溺れるカリスマは、後を絶たない。組織の長は、必ず権力の魔力に犯される。裸の王様になる前に、短期交代するに如くはない。  

水仙と梅 2005年03月03日(木)

   雛祭りの日であるが、今年は、例年通り水仙は盛りを過ぎ、梅は未だ満開となっていない。桃の花は開花を待っている。未だ、寒波の来襲で記録的な大雪で、東京も今夜から雪の予報が出ている。
 だが、夜明けは早く、日の入りは、遅くなり、太陽は徐々に空高く輝き、春も近い。明るい春の到来を心待ちしている日々である。
 


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